ミニマル展示の方程式

同じサイズ・形のものを等間隔に並置していく展示方法を
フリュウでは「ミニマル展示」と手前勝手に呼んでいます。
たとえば、毎年1月に行っている企画展「スクエア展」シリーズ。(上写真参考)
このスクエア(正方形)は、とても美しく厳密なレイアウトと相性の良い形なので均等にひたすら並べていきます。近年展開している「ザ・ダブル」シリーズ(参加人数×サムホール2枚)だと小さめで枚数も多め。
(↓スクエア展前のお届け物の群れ。20人以上のグループ展示は原則フリュウスタッフのみで展示作業を行うので搬入は郵送のみ)
なかでも5.25M幅の何もない壁(通称ロング壁)が難物。
左右の余白をどれぐらいとるか、作品間の余白をどれぐらいとるか。
しかも、展示によってサイズ変更したり、壁に展示する作品枚数も変わるため、
机を噛むような思いで毎回非効率的な計算をしていましたが、あるとき家人に協力を頼み、このような方程式が顕現しました。
全長=L
作品の幅=w
作品の枚数=n
両端の余白=e
作品と作品の間の余白=m
で、↓このようなものができあがったわけです。
W×n + e×2 + m(n-1)= L
魔法だね!
さて、フリュウの「ロング壁」「スクエアサムホール」という条件だと
L=525cm(ロング壁の幅)
w=22.7cm(サムホール幅)
は固定できます。
あとのnとmとeはひたすら暫定値を出して調整していきます。
去年のスクエア展の場合、
n(作品枚数)をまず、8枚として。
m(作品間の余白)は、端数(ミリ単位)でないほうがやりやすいので暫定値として38cmとします。
そうすると左右の余白eは、ほぼ39cm。mと近似値でいい感じです。
例数を当てはめてみると、
22.7×8 + 39×2 + 38 × (8-1)= 525.6
・・・6mm出ちゃいました。けど、これぐらいは mとe を㎝表記で出したいがための誤差のうち。
(特にmをミリ単位でやると、展示作業中に気が狂います)
かえって面倒!適当に合わせていけば行けるでしょ!
という方にはなんの価値もない式ですが、
なるべくきれいにやりたい気持ち~、という方には
そういう事態になったときに参考になる・・・と思います。
とくに不確定要素であるnとmとeの算出に便利です。
準備段階で上記の条件がわかっていて、計算しておくと展示作業は早く済みます。
(作業に一番要らないのがそういう間隔を考える時間。事前に考えておけばいい)
ちなみに、エクセルで上記の計算式を作っておくと不確定要素の暫定値が決めやすいのでおすすめですよ~。
ただし、
・長めの壁(5M超えるとしんどい)
・縦横同一サイズの作品のみ、だいたい4点以上の並置
・整然と並べたい
という場合でなければ、適当に良い加減、目見(めけん)万歳でOKです。このことはまた「ランダム展示編」でお話しましょう。
では、幸運を祈ります!